【高校数A】『集合の要素の個数』を求める問題を元数学科が解いてみた!【苦手克服】

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数学
ジル
ジル

みなさんおはこんばんにちは。

お酒飲みすぎて最近太ってきたジルでございます!

前回は『集合の要素の個数』の基礎中の基礎を解説しました。

最後に簡単な練習問題を解いてみましたが、今回は少しだけ前より難しいのをやってみましょう!

テーマは『要素が数えられないくらい多いパターンの問題』です。




問題

200以上500以下の自然数のうち、次の条件を満たす数は何個あるか答えなさい。

(1)6の倍数

(2)9の倍数

(3)6の倍数または9の倍数

(4)6の倍数でも9の倍数でもない数

(5)6の倍数ではあってかつ9の倍数でない数

 

解説に進む前に必要な知識や考え方を書き記します。

「とっとと解説みたい!」方はこちらからどうぞ!

考え方・アドバイス・知識

その①:ベン図を書こう!

面倒かもですがベン図は必ず書きましょう。

ほんとに簡単な問題ならベン図なしでも問題ないですが、基本的にはベン図は書いた方がいいです。

ジル
ジル

ベン図を書く癖をつけた方がいいですね!

 

その②:「以上」「以下」「から」「まで」「未満」「より大きい」「より小さい」の使い分け

数学の問題において例えば5について「5以上」「5以下」「5から」「5まで」「5未満」「5より大きい」「5より小さい」と言われた時、5は含まれるかどうか分かっていますか?

今までなんとなくやり過ごしていませんでしたか?ここらで一度しっかり確認しましょう!

5を含む…「以上」「以下」「から」「まで」
5を含まない…「未満」「より大きい」「より小さい」

問題によっては重要になるので理解しておいてください。

 

その③:『ある範囲内の〇〇の倍数の数』の求め方

具体例を出して考えてみます。

『100から200までの3の倍数の数』を求めてみましょう。

手順その1…100を3で割る(100までの3の倍数を求める)

$100 \div 3 =33 …1$

つまり、出た商+1から範囲に入ります

手順その2…200を3で割る(200までの3の倍数を求める)

$200 \div 3 =66…2$

つまり出た商までが範囲に入ります

まとめると

つまり3の倍数で100から200の範囲に入っているのは34番目の102〜66番目の198になります。

手順その3…数を数える

苦戦しつつ調べるあざらし
苦戦しつつ調べるあざらし

さて数えよう。

102,105,108,…

ジル
ジル

大変そうやなぁ。

計算方法教えましょう!

 

先程まとめた画像を使って計算すればOKです!計算方法は

(右端の丸)ー(左端の丸)+1

つまり

$66-34+1=33$

 

解答

前説がずいぶん長くなってしまいましたが、解答いきます。

(1)6の倍数

先程述べた「その③:『ある範囲内の〇〇の倍数の数』の求め方」の考え方を利用すれば楽勝です。

$200 \div 6=33…2$

$500 \div 6=83…2$

つまり

したがって

$83 – 34 +1= 50$

答えは50

 

(2)9の倍数

これも(1)と同じく「その③:『ある範囲内の〇〇の倍数の数』の求め方」を利用しましょう!

$200 \div 9=22…2$

$500 \div 9=55…5$

したがって

$55-23+1=33$

答えは33

 

(3)6の倍数または9の倍数

分かりやすく解説するために次を定義します。

$U={200以上500以下の自然数の集合}$

$A={6の倍数の集合} \subset U$

$B={9の倍数の集合} \subset U$

今回求めたい個数が「200以上500以下で、6の倍数または9の倍数」なのでつまり

$n(A \cup B)$ですね。

ここで確認したいのが

和集合の要素の個数の求め方です。

《和集合の要素の個数の求め方》
ある集合A,Bについてその和集合の要素の個数は
$n(A \cup B)=n(A)+n(B)-n(A \cap B)$
n(A)、n(B)はすでに(1)、(2)で求めてあるのであとは$n(A \cap B)$を求めればいいわけですね!
$A \cap B$とは6の倍数かつ9の倍数の集合です。
ここでみなさんに問題です。
6の倍数かつ9の倍数の集合って、「○の倍数の集合」と簡略化して表すとしたら○に何が入るか分かりますか?
苦戦しつつ調べるあざらし
苦戦しつつ調べるあざらし

わ、わからん…:(;゙゚’ω゚’):

答えは、6と9の最小公倍数である18です。

ジル
ジル

みなさん、最小公倍数・最大公約数は覚えていますか?

念のために確認しておきましょうかね(^∇^)

 

最小公倍数(さいしょうこうばいすう、: least common multiple)とは、ではない複数の整数公倍数のうち最小の自然数をさす。たびたび、L.C.M.やlcm等の省略形で記述される。

「キリスト教」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2021年4月14日 (水) 03:23 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org

最大公約数(さいだいこうやくすう、: greatest common divisor)とは、少なくとも一つが0ではない複数の整数公約数のうち最大の数を指す。具体的にはユークリッドの互除法により求めることができる
「キリスト教」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2021年4月14日 (水) 03:09 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org
今回の6,9の最小公倍数の求め方をここでおさらいしておきます。
まずそれぞれの数を2倍、3倍と掛けていきます。
次に共通している数を見つけます。
○で囲った数字の中で一番小さい数(最小の数)が最小公倍数です。つまり18。
では復習も終わったところで$n(A \cap B)$を求めてみます。

「その③:『ある範囲内の〇〇の倍数の数』の求め方」を利用しましょう!

$200 \div 18=11…2$

$500 \div 18=27…14$

したがって

$27-12+1=16$

したがって$n(A \cap B)=16$

$n(A \cup B)=n(A)+n(B)-n(A \cap B)$であるため

$n(A)=50$、$n(B)=33$、$n(A \cap B)=16$を代入して

$n(A \cup B)=50+33-16=67$

答えは67

 

(4)6の倍数でも9の倍数でもない数

ジル
ジル

まずは今まで求めてきた個数を利用できないか考えます。

まずはベン図を書きましょう。今回求めたい部分は斜線のところ

ベン図書くと分かりやすい!

一目でわかりますね?

$n(U)-n(A \cup B)$

$n(A \cup B)=16$は(3)で求めましたので、

$n(U)-n(A \cup B)=301-67=234$

答えは234

(5)6の倍数ではあってかつ9の倍数でない数

こちらも文字だけではわかりづらいためベン図を書きましょう。

すると求めるには

$n(A)-n(A \cap B)$を計算すればいいことがわかりますね?

$n(A)=50$、$n(A \cap B)=16$をさきほど求めたため

$n(A)-n(A \cap B)=50-16=34$

答えは34

 

最後に

今回は要素の個数の求め方をしっかり解説しました。

・ベン図をしっかりかくこと
・「ある範囲内での○の倍数の個数」の求め方
この辺りを覚えましょう。
ジル
ジル

楽しい数学Lifeを!