【本の要点】
- 革新的なテクノロジーは、出てきたタイミングで普及するか決まる。
早すぎると受け入れられない。
「メタバース」は今が絶好のタイミング。
しかし日本はこういう先進的なテクノロジーに対して飛びつくのが遅い。
モタモタしているとアメリカや中国に置いてかれてしまう。
日本はコンテンツ大国。メタバース界にとってそれは有利に働く。
昨今の日本経済は減衰の一途を辿っている。メタバース産業は日本経済復活の火種になり得る。 - メタバースを使って地球のコピーを作り出せれば、無限大の使い方ができる。
メタバースは世界を創る神の所業である。 - メタバースが完成するためには、人間(アバター)と景色(フィールド)の技術を進歩させる必要がある。
また、メタバースで社会・生態系を創り出したい場合、さらに必要な要素がたくさんある。
基本的な3要素は「自律的」「有機的」「分散的」 - 地球の資源には限りがあり、各国が取り合っているのが現状である。
領土だってそう。
メタバースの世界が完成して、個人で創り出せるようになれば、領土は「競争して取り合う」ものではなく「創造する」ものとなる。
著者について
YouTubeに対談動画が多数ありますので興味ある方はご覧ください!
刺さった箇所7選
メタバースの今後を占うためにも押さえておきたいテクノロジーの法則があります。それは、新しいテクノロジーは「過剰な期待」と「過剰な幻滅」に交互にさらされながら普及していく、というサイクルです。
テクノロジーの普及とは、150キロの猛スピードで曲がりくねった道をドライブするような行為で、カーブでは常に揺さぶりがあり、その度に多くの人が脱落していき、最後までふるい落とされずに残っていられる人は少数です。
2022年はメタバースが「過剰な期待」をされていた年でした。しかしこの記事を書いている2025年1月、Googleで「メタバース」と入力してみると下に「メタバース 失敗」「メタバース オワコン」など否定的なワードが出てきます(サジェストワード)。
今は「過剰な幻滅」がされているのかなって思います。
本書の通りになっていますね。こうして発展を続け、ふるい落とされずにいた者が大金を手にするのでしょう。
テクノロジーの役割というのは「一部の特権階級だけが独占していた能力を民主化すること」にほかなりません。
検索エンジンは「歩く生き字引」「歩く百科事典」と尊敬されてきたごく一握りを無力化し、「知識」を民主化しました。
これ知らなかったです。世界を変えてきたテクノロジーがこれにピタッとハマります。
ではメタバースは何を民主化することになるのでしょうか?
こちらも本書から抜粋します。
”メタバースというのは世界を創造するという「神の民主化」なのです”
VR端末が他のデバイスと比べて普及が進まない理由の一つが、「もともと人類にはゴーグルをかぶる習慣がない」という点です。
今普及しているPCやスマホも、もともと定着していた習慣に乗っかる形で普及したとのこと。
PC…タイプライター(文字盤に入力して活字を印字する機械)やソロバン(日本の場合)など、机の上で何かを入力する習慣。
スマホ…携帯電話を所持する習慣。
ただ、乗っかるのはひとつの策で、他にも
・既存の習慣を変えることを捨て「まだ習慣が身についていない次の世代」への浸透を狙う
・ファンションに一部にしてしまう
などさまざまな方法があるとのこと。
世界とは、視認できるビジュアルとしての「視空間」と、社会的な機能と役割をもつ「生態系」が融合したものです。
メタバースは、視空間+生態系の合わせ技で構築しなければなりません。
メタバースを完成させるために必要な要素。
視空間はさらに、人間(アバター)と景色(フィールド)に分けられます。
これらもまだまだ発展段階。非常に難易度が高いとのこと。
秋元康の世界のとらえ方
彼らに共通することは、世の中に対する解像度が圧倒的に高く、何をすればどういうことが起きるかという法則性を他の人よりも熟知しており、それを自分なりの勝ちパターンといえるほど磨き上げている点です。
秋元康を知らない日本人はほとんどいないでしょう。
エンタメ界でヒットを生み続けている方。
本来、エンタメ界は他のビジネスに比べてヒットするかどうか運要素が強い領域です。
しかし秋元さんは、世界に対する解像度が圧倒的に高く、一定の勝ちパターンを持っており、だからヒットを生み続けられるとのこと。
価値を提供してくれる生産者がいない限り、消費者は参加してくれません。と同時に、消費者がいない限り、生産者もまた参加するつもりはないというジレンマがあります。
「鶏が先か?卵が先か?」問題
メタバースの完成に必要な「生態系」に関連する話。
生態系には、モノサービスを生み出す「生産者」と、それを受ける「消費者」がいます。
生産者がモノサービスを作ったとして、消費者は、有益な価値を提供してくれないと利用してくれません。
逆に、消費者がいなさそうなら生産者はモノサービスを作りません。
では「生態系」において、どちらが起点になるのか?佐藤さん曰く「生産者」とのこと。
かつて「王」の上に「法」を置いたように、今度は「法」の上に「AI」や「アルゴリズム」を置くという新しい考え方が必要になってくるでしょう。
佐藤さんが、メタバースが完成した後の世界を考察した章の一文。
すごく面白い内容でした。
AI・ロボットと人間との共存がテーマの映画「アイ・ロボット」を思い出しました。
あくまで佐藤さん個人の推察ではありますが、こういう話私好きなんだなって気付かされましたw
3行ノート
この本を読んだ方に併せてオススメしたい本
◎「夢と金」西野亮廣
僕らはすでにNFTを資金調達の手段として確立させている。
NFTの取り扱い方を知らない今のキミは、少なくとも僕たちより「お金を集める手段」が少ない。それにより、叶わない夢や、救えない人が出てくるだろう。だから、これ以上、出遅れるな。
また、「世界2.0」で登場した「NFT」について分かりやすい解説が書かれており、私もこれでNFTについて理解度が深まりました。
内容も読みやすいので、読書初心者でも入り込めると思います。
◎「ChatGPT vs 未来のない仕事」堀江貴文
AIに人間が支配される世界をユートピアとみるのか、ディストピアとみるのか、その選択はあなた自身に委ねられている。
当時はびっくりしました。「芸人をしながら絵本作家なんてできるのか?」と思いましたね。
西野さんの本では「革命のファンファーレ」が有名ですが、あえて今回はこちらを取り上げさせて頂きました。
タイトルの通り「お金」に焦点を当てた本で、すごく面白かったです!
副業でお金を稼ぐ前に一度読んでみることをおすすめします。
こちらは現在読んでいるところですので、また読み終えたら紹介したいと思います!