私が本書の著者『水上颯』さんを知ったきっかけは、テレビ番組「東大王」でした。
当時東大チームのリーダーとして活躍していました。
東大の中でも屈指の頭脳の持ち主で、東大医学部を卒業しています。
私は彼をいわゆる「天才」だと思っていました。
しかし、本書の初めにこんなことが書いてあります。
「天才」という言葉は好きじゃない
「習慣」で僕はここまできた
水上さん曰く、自身はもともと勉強できるタイプではなかったらしい。
どうやって習慣で頭を鍛えたか?そのエッセンスが余すことなく書かれております。
本の紹介
今回紹介する本は
『頭を鍛える5つの習慣』水上颯著
になります。
著者について
「東大王」は結構観ていましたね。水上さんはチームの大黒柱なイメージでした。
本記事を書いている現在、水上さんは研修医として立派な医師を目指して頑張っているみたいです。
印象的な箇所17選
『だいたいの見通しから毎日のノルマを逆算できるのは、たくさん経験を積んだ人だけと考えておきましょう。』
勉強のモチベーションを維持する手段として「目標を設定する」があります。
ここでやりがちなのが、大きな目標を設定すること。
目標が多いこと自体は良いことですが、道のりが長すぎて途中で挫折する人も多いです。
ではどうするか?大きな目標の間に「小さな目標」を設定しましょう。
いくつもの小さな目標を設定してクリアしていく。
小さな目標が道標となり、大きな目標というゴールまでの道のりを明確にしてくれるのです。
『「ラクをする」から結果が出る』
根性論で結果を出そうとするとどうしても苦しくなる時がきます。
これで得た成果も長くは続かないでしょう。
それなら肩の力を抜いて、継続を心がけた方がいい。
自分を追い込むやり方は楽しくない。楽しいやり方の方が絶対継続します。
毎日の積み重ねが大事ということですね!
『東大生のほとんどは、「一科目がめちゃくちゃできる天才」ではなく、「全教科がそこそこできるアベレージヒッター」です。』
東大に受かる人って何か突出してできるタイプばかりだと思っていました。
でも実は違うらしい。
まあ共通テスト(私の時代はセンター試験)で一科目が満点で他があんまりでは受かりませんよね。
大事なのは「苦手を潰していく」こと。
ひとつ前の書評記事で取り上げた「多動力」にあった「80点のできが見込めたら次へ行く」考え方を思い出しました。
『中途半端にいろいろやっておくと、「どこかで見た」状態に陥りやすくなります。それよりも1冊に絞り、「見たことがある問題は完璧に解ける」状態にしておく。』
勉強をしているとあれこれと参考書に手を出してしまいますよね。
たくさんの参考書を買って、やる気まんまんで取り組み始める。最初はいいかもしれませんが、限界が来ます。
各参考書を1周するくらいならできるかもしれませんが、1週だけじゃなかなか覚えられません。
確実に吸収するには、参考書を絞ってそれを何周もやるのが良い。
あれこれ手を出すと、試験で「あ、この問題見たことある!」ってなる確率が上がるでしょう。
でも解き方を覚えていないと結局解けません。
見たことあるけど解けない…これほど悔しいことがあるでしょうか?
私も大学受験勉強は参考書絞っていました!
『「あのとき、もっと〇〇していたらよかった」という言葉だけは口にしないで生きていこうと思っているのです。』
いわゆる「後悔」ですよね。
過去は絶対に戻れないし、変わることもありません。
後悔しないために「いま、ここ」を精一杯頑張る、ただそれだけ。
私が読んできた本にけっこう書いてあること。つまり重要!
『僕は本を読むことで、著者や登場人物が歩んだ人生の道筋を疑似体験しているのです。数百円から数千円程度の出費でそんな体験ができるのは最高の贅沢なんじゃないでしょうか?』
読書は素晴らしい。数年前にハマってからほんとに実感します。
最近読書離れが進んでいるとニュースで見ました。
めちゃくちゃ勿体無いと思います。
偉業を成し遂げた著者がやってきたことが、その著者の疑似体験としてわかるのですから。
これが数百円、数千円でできるのならコスパ最強だと思いますよ。
中古本ならもっと安く読めますし、Kindle unlimitedなど読み放題のサブスクを利用すればたくさんの本が定額で読めちゃう!
『どんな本であれ、一歩引いて「これは、この著者の考えにすぎない」という冷めた読み方をしたほうがいいと僕は思っています。』
本を書くような人はすごい人ではありますが、我々と同じ人間です。
いろんな人間がいて、いろんな意見があります。
本を読んで、その著者の意見が世間一般の意見だと決めつけない方が良いです。
逆の意見が書かれている本も併せて読むのがオススメ。
私も本をめちゃくちゃ読みますが、著者がある程度偏っているので気をつけようと思います!
『情報過剰時代には、「自分はこう思うけれど、この人はどうしてそういっているのだろうか」と相対化を行い、メタ的にものを見る必要があります。』
先ほどの続き。
情報が過剰なこの時代。良質な情報もあれば粗悪な情報も存在します。
本も同じ。さまざまな考えを持った著者がいるわけで、Aが正しいという人もいればBが正しいという人もいます。
Aが正しいという本ばかり読んでしまうと、Aが絶対正解なんだと錯覚してしまいます。
Bが正しいという本も併せて読んで、自分の結論を決めるのが大事。
『原点にチャレンジして、「ここはどういう意味なんだろう」と一生懸命読み解こうとすることで、「考える力」が磨かれていくのです。』
スティーブン・R・コヴィーさんの『7つの習慣』なんていい例ですが、原典によっては、簡略verや漫画verが出版されています。
もちろんこれらを読んだ方が、より早く内容を吸収できるでしょう。
ただそれだと思考力を鍛える読書にはなりません。
また、簡略verはどうしても原典から切り捨てられる箇所があります。
原典を読んで思考力を身につけましょう。
『本の中身は「思い出せなくてOK」』
たくさん本を読んでいると、ずっと前に読んだ本の中身が思い出せなくなってきます。
頭を使って読めば考える力が磨かれます。すると忘れたとしても考える力は残りますからそれが役に立ちます。
数学の公式を覚えることに通じていると思います。
数学の公式ってそのまま何度も書き殴って暗記する方法だと、忘れた時なかなか思い出せません。
でもその公式がどうやって導き出されたかを勉強すると、もし公式を忘れても自分で導き出せるんです。
覚える量が減らせるのです!覚えるの苦手なので助かる( ^ω^ )
『読書の習慣がついていたときは「創造的会話」ができていました。相手がいったことに対して、さらに発展させた内容を返したり、別の視点からの意見を提示したり、お互いの考えを深め合えるような会話をしていたのです。』
読書をすると思考力が身についたり、あらたな知見が身につきます。
それが会話に現れて、その内容に深みが出る。
水上さんは幼い頃から読書が好きで1日に2冊のペースで読んでいたこともあったそうです。
しかし高校入学後、読書から離れた時期があったそうです。
すると今まであった会話の深みがなくなって、どこか内容が浅い会話しかできなくなったらしい。
『こういったインプット・アウトプットの経験を重ねることで、まるで、筋トレの成果を鏡の前で確認するように、新しい知識がついたことを実感できるのです。』
何かを覚えた時、つまりインプットした時、紙に書き出してみましょう。
すると「覚えたつもり」な箇所を炙り出すことができます。
最後に「人に教える」ことをすると、しっかり理解できているかが確認できます。
例えば私がこの書評記事を書く行為はアウトプット。本を読んで(インプットして)、記事を書く(アウトプット)。
『一度スルーしたら”二度と”確認しない』
生活していると、ふと今まで知らなかった情報に触れることがあります。
「これってどういうことなんだろう?」と思ったらその場で調べてみる。
これが新たな知識につながります。
今のネット社会だと、ググればすぐ出てきますよね。
でもそういう環境だと、逆に調べることを後回しにしてしまう要因になるのです。
でもそうやって後回しにしたのって大抵そのまま放置したり、調べるのを忘れたりしませんか?
すぐに調べる習慣づけが大事。
『「減らす」のではなく、「生かす」』
「すき間時間」についての話。
通勤時間や、ちょっとした待ち時間をいかに活用できるかが大事。
「すき間時間自体を減らせばいいのでは?」と考える人もいるでしょう。
すき間時間を減らすとスケジュールをギチギチに埋めることになりますよね。もし用事が少し遅れてしまった場合、ギチギチだとその後のタスク全てに影響が出てしまいます。
多少スケジュールにもあそびがあった方がいい。
なのですき間時間は減らすより生かすことを考えましょう。
すき間時間にやることをあらかじめ決めておくといい。決めておかないと「何しようかな?」ですき間時間が終わってしまいます。
堀江貴文さんなんかもすき間時間の大切さを本で語っていました。
『「何をしていたかわからない時間」を過ごさない。』
人生は有限であり、思ったより短い。
「何をしていたかわからない時間」は非常に勿体無いです。
とはいえ、ボーっとしていたりだらだらすることにも目的意識があれば良い。
私以前は意味のある時間を過ごすため、TODOリストを使ってその日やることを前日に決めていたのですが、最近サボり気味w
『あれもこれもと頑張る前に、「自分が一番輝けるものは何か」について見極め、それを磨き上げていくことが重要でしょう。』
できるようになりたいこと、みなさんはどれくらいありますか?
私は結構あります。英語を勉強したい、PCに詳しくなりたい、マッチョになりたい!などなど。
でも数が多いほど大変。大事なのは「諦める」こと。
自分が一番力を発揮できることに全力投球する、これが一番効率よく最大のリターンが返ってくるとのこと。
私はどうしても選びきれませんw
『いろいろな人を話をしたときに、「この人は価値がある」と思ってもらうためには何かしら「武器」が必要ですが、自分だけの武器を磨くことは、ひとりの時間でないとなかなかできないからです。』
人と付き合う時間とひとりの時間についての話。
みなさんどちらを優先していますか?
私は圧倒的にひとりの時間。他人との関わりが基本的に好きじゃないのでw
水上さんはひとりの時間を優先しています。
ひとりの時間ではインプット、人と付き合う時間ではアウトプットができます。
インプットしないと浅い人間になります。
アウトプットすると、インプットしたことを再認識できます。
本書から学んだ3つのこと(3行ノート)
この本を読んだ方に併せてお勧めしたい本
◎『心配事の9割は起こらない』枡野俊明著
「いま、ここ」を一生懸命に生きる。その大切さが書かれた本です。
読みやすく、読書初心者にもオススメ。
◎『マジカル勉強脳』こーずぶろぐ著
勉強vlogをYouTubeに挙げている方の勉強のエッセンス本。私も時々見ています。
完読次第、記事にする予定なのでぜひ見てね!