『夢と金』のあらすじ紹介〜お金が尽きると夢が尽きる〜|書評

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書評

みなさんはお金のこと、どれくらい知っていますか?

 

日本の教育ではお金のことをあまり教えてくれません。

 

さらにはお金儲けは悪いことだ!なんて教えられる始末。

 

これは戦争中の日本文化が根強く影響しています。

 

しかし忘れてはならないのが、大抵の夢を叶えるためにはどうしてもお金が必要になるということ。

 

今回紹介するのはお金についての本になります。めちゃくちゃ分かりやすい!

 

 




本の紹介

今回紹介する本は

 

『夢と金』西野亮廣著

になります。

 

著者について

『西野亮廣』
1980年に兵庫県にて生まれる。
キングコングのコンビ名でTVなどで活躍。
2009年に絵本作家デビューを果たす。
数々の絵本の中、「えんとつ町のプペル」は映画にもなり興行収入27億円を突破。

 

絵本作家の常識を超えて活躍している方。

 

芸人さんなのでトーク力もあり、講演も行っています。

 

お金のことをよく理解していて、あとに出てきます「クラウドファンディング」「NFT」もうまく利用されています。

 

ジル
ジル

すごくわかりやすい解説で、名前しか知らない人でも理解できますよ!

 

 

印象的な箇所17選

『「高価格帯の商品」をなくしてしまうと、待っているのは「お金に余裕がない人からお金をとる世界」だ。』

 

「高価格帯商品」に関するお話。

 

日本では、高価格帯へのクレームがしばしば発生します。

 

実はこのクレームは自身の首を絞める愚かな行為なんです。

 

その理由がイラストを交えてとても分かりやすく説明されています。

 

ジル
ジル

これめちゃ勉強になりました。高価格帯商品がもたらしてくれるものが理解できました。

 

 

『「プレミアム」とは「競合がいる中での最上位の体験」で、「ラグジュアリー」とは「競合のいない体験」のこと。』

 

高価格帯の商品を作る上で欠かせない知識。

 

車で例えると、プレミアムは日本車やBMW。ラグジュアリーはフェラーリ。

 

役に立つ・役に立たない、意味がある・意味がないを区分した図を用いて説明されております。

 

これもめちゃ分かりやすい!

 

「高価格帯を作る=とにかくいいものを作る」くらいにしか考えられませんでした。

 

理解していないとどっちつかずの半端なものになってしまうでしょう。

 

 

『[夢]=[認知度]−[普及度]』

 

「夢」とはラグジュアリーのこと。対してプレミアムは「高級」と本書では表現しています。

 

ラグジュアリーの価値はプレミアムに比べて飛び抜けて高い。

 

ジル
ジル

面白い計算式ですよね。あまり普及していない方が価値が上がるのは分かっていましたが、認知度は気にしていませんでした。

 

認知度が低いとラグジュアリーとしての価値が上がりません。

 

知る人ぞ知る〜みたいな売り込み方だと、認知度が上がらないので実はラグジュアリーで売る方法としては間違っているんですね。

 

 

『なぜ、高いと感じたか?答えは「機能を売っているから」だ。』

 

VIP席やラグジュアリー商品などの高価格帯を売る際に良くないのが「機能を売る」行為。

 

機能を売るラグジュアリー商品は、富裕層はそこまで求めていないんです。

 

では何を売れば良いのか?答えは「意味を売る」こと。

 

機能を売ろうとすると、その機能を細かく説明することになりますよね?

 

するとお客様側は価格が値段に見合っているかを調べることができてしまいます。

 

「価格の答え合わせ」ができてしまうわけ。

 

他の競合商品と比較もできてしまいます。

 

対して「意味」を売るなら競合がいません。

 

ラグジュアリー商品でも高く感じさせない。

 

 

『「不足している人(一般層)」が求めているモノと、「足りている人(富裕層)」が求めているモノの違いを知れ。』

 

西野さんはクラウドファンディングを積極的に利用しています。

 

クラウドファンディングには「販売系クラウドファンディング」と「支援系クラウドファンディング」があります。

 

クラウドファンディングでお金を払うと、返礼品が受け取れます。

 

支援系クラファンの返礼品でオリジナルTシャツを採用しているところがありますよね。

 

実はこれ間違っているのです。

 

販売系クラファンでは正解のひとつなのですが、支援系クラファンでは話が別。出資してくれた人の意図を汲み取っていないんです。

 

支援系クラファンに出資してくれるような富裕層が求めているのはモノではありません。モノなんて貰わなくても十分あるから。

 

この場合の正解は「貸し」です。

 

ジル
ジル

私高価格帯のところで説明されていますが、各サービスにおいて富裕層が求めることを突き詰めるべき。

 

 

『「オーバースペック」は自己満足であり、お客さんの満足度にはカウントされない。』

 

日本人の特徴として「職人気質」が挙げられます。

 

100点満点を目指そうとします。

 

その姿勢は見習うべきですが、逆効果になる場合もあります。

 

例えば料理人。富裕層で舌が肥えている客層を相手にするなら別ですが、我々一般人を相手にするなら話が別。

 

90点くらいの料理を出せたなら、それ以上は料理以外の質を上げた方が良いのです。

 

なぜなら、一般人には90点以上の味は違いが分からないから。

 

衛生面や接客面など他の部分を底上げして方が良い。

 

 

『【人検索】の世界では、「購買」と「支援」の境界線が曖昧になり、あらゆるサービスが「クラウドファンディング」や「ファンイベント」のように扱われる。つまり、商品を買う理由に「応援」という項目が入ってくるわけだ。』

 

昔は需要がたくさんありましたのでたくさんのモノが売れました。

 

今は供給過多の時代。機能でモノを売ろうとするとなかなか売れません。

 

では何で売るか?答えは「人で売る」です。

 

せっかくだからあの人が営んでいるあそこに行こう!みたいな。

 

「意味を売る」ってことですね。

 

人検索に引っかかるようになると機能で勝負せずに済みます。

 

 

『「顧客は『機能』を買い、ファンは『意味』を買う」』

 

2020年にコロナが広まりまして、飲食業は追い込まれました。

 

その頃クラウドファンディングが注目されました。

 

クラファンが成功した人もいれば失敗した人もいました。

 

何が違ったのか?それは「そのお店にファンがたくさんついていたかどうか」

 

ファンが増えれば、人検索に引っかかるようになりひどい価格競争に巻き込まれずに済みます。

 

顧客のファン化が今後求められる時代。

 

 

『人類誕生から今に至るまで、不便のないところに、コミュニケーションは生まれていない。そして、機能で差別化を図れなくなった現代においては、その「コミュニケーション」こそが最大の付加価値になっている。』

 

西野さんは海外で、とある「山奥の工場」に連れてかれました。

 

そこではパーティルームみたいになっていて、コミュニケーションと不便は相互関係にあることを学んだそうです。

 

 

『世の中には「必要な不便」と「不必要な不便」があって、僕らは「必要な不便」にお金を払っている。』

 

不便とは「問い」。

 

問いに対して自分で答えが出なかった時、周りの人に助けを求める、一緒に答えを考える。

 

するとそこに「コミュニケーション」が生まれます。

 

BBQなんていい例で、火を起こしたり肉を自分で焼いたりするのは不便ですよね。お店側で火をつけてくれたり肉を焼いたりしてくれた方が楽。

 

でもBBQをしにくる人はその不便を求めていますよね?仲間と協力してBBQを完成させるわけです。

 

コミュニケーションを売っているということ。

 

 

『お金を作る選択肢の少ない人間は、「お金を作る選択肢の少なさ」に無自覚だ。』

 

NFTについてのお話。

 

西野さんはNFTにも力を入れています。

 

言葉は聞いたことあるけど意味は良く分かっていない、なんて方多いと思います。

 

本書では非常に分かりやすく解説してあります。

 

西野さんはNFTがラグジュアリー商品として成り立つことに気づきました。

 

 

『「認知度-普及度」の値を上げ、「皆が知っているけど、ほぼ誰も追っていない」という状態に持っていくことが重要だ。』

 

NFTをたくさん売るために西野さんは認知度を上げることにしました。

 

「ログインの壁」「コミュニティ」あたりに切り込みました。

 

ジル
ジル

すごく面白いですのでぜひ買って読んでみてほしい!

 

 

『彼らの本音は「心から寄付・支援をしているのでリターンは本当に要らないけれど……、だけど、寄付・支援をしたことが、誰かに見つかったら(その噂がまわったら)、ちょっぴり嬉しい」だ。』

 

NFTは購入履歴が誰でも閲覧できるようになっています。

 

一見なんのこっちゃって感じですが、実は寄付・支援を募りやすくなる大事な要素なんですね。

 

支援・寄付した人の気持ちは様々でしょうが「見返りは求めていないけれど、私が寄付・支援したことが周りに伝わると嬉しいな」って考える人は多いと思います。

 

NFTならそのニーズを満たせるというわけです。

 

 

『「機能」がコモディティ化した2023年現在、小売店は「誰から買うか?(機能検索から人検索)」という競争を始めていて、AIに代替えされるどころが、「人じゃなきゃダメ」になっている。』

 

AI技術が発達しってきた現代、「何がAIに代替えされてしまうのか」という議論を時々目にします。

 

けっこうあったのが「小売店などの仕事は代替えされ、創造性のあるアーティストは残る」みたいな意見。

 

しかし蓋を開けてみると、小売店などは「人検索」にシフトして、逆に人ありきになりました。

 

逆にアーティストの方が代替えされそうで、AI作品の絵がX(旧Twitter)なんかにも上がってますよね。

 

実はAIはアート系の方が得意だったんですね。

 

 

『これまで一体どれだけの夢が「お金の知識不足」「お金の古い固定概念」で殺されてきたのだろう?』

 

夢を叶えるべく突き進んでいる時、「やめておけ」と言ってくる連中が現れるでしょう。

 

その理由は様々ですが、過去の経験的に上手くいきっこないと結論づけて言われることが多いです。

 

ただ、今までの経験がこれからの常識とは限りません。

 

逆に今進めている夢がこれからの常識になるかも知れません。

 

阻まれないためにもお金のことをしっかり勉強して、過去の常識にとらわれずにいましょう。

 

夢を叶えるためにお金がいります。

 

 

 

本書から学んだ3つのこと(3行ノート)

①意味を売る
機能を売っていては厳しくなる。
価格をこちらで決められる勝負をしよう。
モノがたくさん売れない時代に生きていることを自覚する。
②顧客が求めていることを理解する
見当違いな回答をするとお金を使ってくれない。
我々一般層と富裕層がそれぞれ求めていることを考えてみよう。
③人検索に引っ掛かるようになる。
機能検索の勝負は大変。
人を売り込もう。

 

3行ノートとは?
私は本を読破するたびに「3行ノート」をとっています。
これは『メモで自分を動かす全技術 高田晃著』で紹介されていたもの。
本から学んで終わりではなく、実際に行動に移すためのノートです。
本から学んだことの中から3つだけ「これからやっていこう」と思った項目を厳選するだけ。
私はもう少し広いニュアンスで「本から学んだ、自分にとって特に大切なこと3選」みたいにして書いています。

 

 

 

《今回紹介した本の情報》
タイトル:夢と金
著者:西野亮廣
定価:本体1,500円(税別)
出版社:幻冬舎
目次:
第1章 富裕層の生態系
第2章 コミュニティー
第3章 NFT