余計な不安や悩みを抱え込まないように、他人の価値観に振り回されないように、無駄なもの削ぎ落として、限りなくシンプルに生きる
今回のテーマです。
住職である筆者が「禅の教え」からみんなの悩みが不安を解消する手助けをしてくれます。
禅の教えと言いますと、我々からしたら遠い存在に感じるかもしれませんが、実は身近で、日常に落とし込めます。
不安や悩みで落ち込んでいる時、禅の教えは、実はその問題は大したことなかったと認識させてくれます。
「不安や悩みの遠ざけ方」「余計なことを考えて余計な不安や悩みを生まない方法「人と比べない考え方」「良質な人間関係の築き方」などにフォーカスします。
禅の教えに関する本ということで難しいイメージを持たれるかと思いますが、内容は分かりやすく、読書初心者にもおすすめです。
悩みや不安にぶつかっている人に一度手に取ってもらいたいですね。
本の紹介
今回紹介する本は
『心配事の9割は起こらない』枡野俊明著
になります。
著者について
「俊明」は「としあき」ではなく「しゅんみょう」と読みます。
海外にまで知られる住職さんってあまり知りません。
印象的な箇所17選
『心配事の”先取り”などせず、「いま」「ここ」だけに集中しましょう』
本書の大きなテーマになります。
無駄を削ぎ落として集中できます。
私も心配事の先取り、結構やってしまうので、ピッタリな本だなと思いました。
『比較することをやめたら、そう、妄想の9割は消えてなくなります。心はずっと軽くなります。生きるのがずっとラクになります。』
「莫妄想」ーこの言葉を折に触れて思い出してください。
禅の世界でいう「妄想」とは我々が使っている意味合いより広く「心を縛るもの、心に棲みついて離れないものなど」を指します。
『莫妄想』とは「妄想するな」ということ。
他人との比較などで妄想は生まれます。禅の世界ではどんな人も「他人とは比べない『絶対的な存在』」とするらしい。
『過去にいつまでもこだわっていることは、そのまま、いまの生き方に対する自信のなさを表明していることです。そこに不安や悩み、心配事が心に入り込む隙が生まれます。』
過去のことを思い返してみても仕方ないし、まだきていない未来のことを考えても仕方ありません。
「いま」を生きるしかないということですね。
私は心配症なので「あれしなきゃ良かった…だからこんな心配をしちゃってる」なんてことザラにあります。頑張って「いま」を生きていこうと思います!
過去の栄光に縋って一生飲み会でその話をするおっさんとかも当てはまりますね。過去の栄光話は意味がありません。
『あなたには「心のよりどころ」がありますか?生活空間にほんのわずかなスペースでもいいですから、そんな場所があると、心の有り様は一変します。』
昔は各ご家庭に仏壇があり、そこが家族の「心のよりどころ」になっていたみたいです。
現代のご家庭には仏壇減っていますよね。
私の「心のよりどころ」は『お風呂』です。お風呂で私が抱えるたくさんの心配事を思い返して、それが大したことないって処理しています。
湯船に入ると幸せホルモンの「セロトニン」が分泌されるので最高ですよ!
『ひとつ捨てることは、執着からひとつ離れること』
禅の世界に「喜捨」という「惜しむことなく喜んで捨てる」意味の言葉があります。
私はモノをなかなか捨てられない人間で、部屋も散らかっています。
モノが多いと手狭になりますし、埃も溜まっていいことないですよね。
モノをほとんど持たない「ミニマリスト」のvlogを最近見ますが憧れます
『「情報」だけで、あるいは、相手の一面だけを見て抱いた嫌な感情、否定的な思いを持って、全人間性を決めつけてしまったら、その人を見誤ることは必定です。』
人に対する好ましくない感情やネガティブな評価の背景には、実は色眼鏡をかけた自分がいるのだということを知ってください。
それを外したら、見え方はガラリと変わってものになるでしょう。
初対面の人と会う際、その人を知っている知り合いから「あの人は気難しい性格だから気をつけた方がいい」など事前に情報を入手したとします。
するとそれが「先入観」となり、実際会った際に「この人は気難しい性格」が頭から離れなくなります。それでコミュニケーションに支障をきたします。
でも「あの人は気難しい」はその知り合いの意見であり、実際は違う場合もありますよね?なのに「気難しい性格」と思い込んでしまう、よくないですよね。
禅の世界ではそういう「先入観」を持つなといいます(「色眼鏡を外せ」)
『みなさんのまわりの「あたりまえ」のことを、一度、見直してみませんか?』
「あたりまえ」のことを、もっともっと大事にしようという気持ちが生まれ、すべてに感謝できるようになる
私は湯船に浸かっている時に「あたりまえ」を振り返って感謝を忘れないようにしています。
「自分って実はこんなに幸せなんだ!」って思えます。
これみなさん一度試していただきたいです!
『情報の”暴飲暴食”はやめる』
情報は”迷い”のもとになります。
情報がありすぎるからかえって、心をどこに置いたらよいかわからなくなるのです。
禅の言葉に「随所に主となれば、立処みな真なり」があります。
「いま」「ここ」でできることを一生懸命にやっていれば、自分が主人公になって生きられる、ということ。
私は心配事について、ついつい調べすぎてしまいます。
すると余計に「心配事」が増えて「いま」「ここ」がおろそかになってしまう、あるあるです。
「なるようになれ!」精神で「心配事」を調べすぎることなく、今やるべきことに集中しないと
『浮かぶに任せ、消えるに任せる。それが「無心」に近い心の在り様です。』
浮かんできた思いはそのまま放っておけばいい。
イライラしたりクヨクヨしたりしますよね?そんな時は「無心」でいることが一番。
無理にコントロールしたりするとまた別の思いが出てきたりしてしまいます。
放っておけばそんな感情もいつか消えるという考えで、禅の言葉で「雲無心にして岫を出ず」と言います。
『どんな境遇にあっても自分を生かすことはできる、そこでの経験が、将来、飛躍のバネにもなるし、生きる糧にもなる』
境遇があなたの生き方を左右するのではありません。あなたの生き方によって境遇はどんなものにでもなるのです。
私は今現在の境遇を良くは思っていません。お金はないし、性格も好きじゃないし…
禅の世界ではこれを「日日是好日」といいます。
『失敗したって、なにも命までとられるわけではない。開き直るのではなく、そのくらいに腹をくくってかまえていたらどうでしょう。』
失敗した時にはただちに、率直に、謝るのが大切とのこと。
ただ失敗を告白して仕事がクビになることもあります。
その場合は、そうなった時に考えればいいとのこと。
「世の中に失敗というものはなく、チャレンジしているうちは失敗はない。あきらめたときが失敗である」
日本航空の再建に取り組んだ稲盛和夫さんという方の言葉だそうです。
これ成功者けっこう言っています。
『沈黙の凄さ』
沈黙には大いなる表現力があります。
ときには言葉よりもずっと気持ちや思いを伝えることができるのです。
私はあまりペラペラ話せるタイプではありません。
人と話す時、沈黙が怖くて「なんでもいいから話さなきゃ!」と無理やり話して、つい思ってもないことを言ってしまったりなんてことざらにあります。
GACKTさんの本にも似たこと書いてありました
以前書いた書評記事になります。良かったらご覧ください!
『「誰かと出会う」ということは、そこに「縁が働いている」ということです。』
これいい考え方ですよね。出会った人を大切にするようになります。
仏教では「縁」をとても大切にしています。”偶然”出会ったとは考えないんですね。
禅の言葉では「我逢人」といって、全ての物事は「出逢う」ことから始まる。だから人と出会うことや、会う場、姿を大事にしなさいということらしいです。
『正論というとき、その人の目線は、必ず相手より高くなっています。そういう関係性の中では、言葉は通じないし、信頼も生まれません。』
「相手の顔も立てる」ことですね。
私は結構正論を言ってしまう人間です。お堅いんですよね。
人と話した後に「なぜあんなこと言ってしまったんだろう…」って後悔することもよくあります。
『10分、自然に触れる』
人と人との結びつきで大切なのは、知識や教養ではなく、感性や感覚です。
考えることをいったんやめると、脳の神経伝達物質である「セロトニン」の分泌が活性化されます。
現在私は毎日散歩したり、意識的に日光を浴びています。
私最近メンタルがおかしくて、症状を調べていたら、ある病名が出てきました(ここでは伏せますが)
その治療にSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)が使われているとのことで、セロトニンの分泌を増やすことが自分にとってプラスになると思ったからです。
どんな都会でも自然はどこかにあるはず。ぜひ散歩でもして自然に触れ合ってみて欲しいです。けっこう癒されますよ!
『聞き上手になる』
たまに愚痴のひとつもこぼしてストレス解消に努めるのは、現代人に必須の「生きる知恵」かもしれませんね
愚痴をこぼすなという本はいくつか読みましたが、肯定する本は初めてみたかもです。
愚痴もたまにはいいけど、その分相手の愚痴も聞いてあげようなってことです。
本書では「持ちつ持たれつ」と表現しています。
愚痴が溜まっていると自分のことを吐き出してスッキリしてハイ終わりって人多いですが、こぼした相手もまた溜まっていることのひとつやふたつあるでしょう。生きているんですから。
その辺をケアできるいい関係を築けるといいですね。
『われわれはお金のために生きているのではありません。生きる目的はあくまで前段にあって、お金ではないのです。』
お金が人を狂わせるなんてよく聞く話ですよね。
少しのお金で満足に生きられると、どんなに質素でも心は豊かでいられます。
逆にどれだけお金があっても満足できない人もいます。
年収が1億とかある人でも幸せになれない人もいるのも聞きますね。
本書から学んだ3つのこと(3行ノート)
3行ノートとは?
私は本を読破するたびに「3行ノート」をとっています。
これは『メモで自分を動かす全技術 高田晃著』で紹介されていたもの。
本から学んで終わりではなく、実際に行動に移すためのノートです。
本から学んだことの中から3つだけ「これからやっていこう」と思った項目を厳選するだけ。
3つだけってのがポイント。
多すぎると途中でやめたりしたくなりますよね?
私はもう少し広いニュアンスで「本から学んだ、自分にとって特に大切なこと3選」みたいにして書いています。