みなさんおはこんばんにちは。
最近入浴剤に手を出したジルでございます!
今回は『最大公約数』『最小公倍数』を学習します。
「倍数」と「約数」について。
本題に入る前に復習しましょう。
実はこれ、前の記事で書いてありますので貼っておきます(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
「公倍数」「公約数」について。
では倍数・約数に漢字の「公」がついた「公倍数」「公約数」とはなんだろう?
ズバリ
公約数…2つ以上の整数に共通する約数
です!
『公約数・公倍数の求め方』
試しに12と18の公約数を求めてみましょう٩( ‘ω’ )و
手順①:12の約数を求める。
1,2,3,4,6,12
手順②:18の約数を求める。
1,2,3,6,9,18
手順③:①、②で共通した数字を見つける。
1,2,3,6←答え
手順①:12の倍数を求める。
12,24,36,48,60,72,…
手順②:18の倍数を求める。
18,36,54,72,…
手順③:①、②に共通している倍数を見つける。
36,72,…←答え
公倍数は上限を設けない限りどこまでも数字が続いていきます。
この例だと要は「36の倍数」が12と18の公倍数になっているわけです。
「最大公約数」「最小公倍数」について。
とうとう本題です。
意味はそのままで
最小公倍数…公倍数の中で最小の数
12と18の公倍数:36,72,…(36の倍数)
最小公倍数:36
実践問題を解いてみよう!
基礎を学んだところで次にテストで出題される難易度の問題を解説します。
ここからが本番です!
数学が苦手な人はつまずくかもですが、精いっぱい分かりやすく解説しますので一緒に頑張っていきまっしょい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
問1:108と360の最大公約数と最大公倍数を求めなさい。
先ほど12と18で求めた問題の難しいバージョンです。
12や18のような小さい数ならすぐに求められるのが、3桁以上になると一気に分からなくなります(;ω;)
じっくり解説していきますねψ(`∇´)ψ
「解説とかいいからはよ答え教えてくれや!」って方は目次の中の「問1の答え」から飛んでくださいね( ^ω^ )
手順①:2つの数をそれぞれ素因数分解する。
素因数分解ってどうやるんだっけ…?
素因数分解を忘れてしまった方は以前私が書いた素因数分解の記事をみて復習してね!
まずは108を素因数分解してみましょう。
つまり$108=2^2 \times 3^3$
次に360を素因数分解します。
つまり$360=2^3 \times 3^2 \times 5$
手順②:最大公約数を求める。
では最大公約数から求めましょう。
手順①で導き出した2つの因数分解を並べます。
$108=2^2 \times 3^3$
$360=2^3 \times 3^2 \times 5$
もう少しわかりやすくするために108の因数分解に$5^0(=1)$を加えます。
さらに360の因数分解の$5=5^1$と書き換えます。
$108=2^2 \times 3^3 \times 5^0$
$360=2^3 \times 3^2 \times 5^1$
注目するのは各素数の右上の数字”指数”です。
そしてここ大事。最大公約数は、それぞれの素数の指数を比べて小さい数字を取り上げます。
それらを掛けたものが最大公約数になります。
$2^2 \times 3^2 \times 5^0=4 \times 9 \times 1=36$
答えは36。
手順③:最小公倍数を求める。
こちらも最大公約数の求め方と似ています。
まずは108と360の素因数分解を並べましょう。
$108=2^2 \times 3^3 \times 5^0$
$360=2^3 \times 3^2 \times 5^1$
最小公倍数は、それぞれの素数の指数を比べて大きい数字を取り上げます。
それらを掛けたのが最小公倍数です。
$2^3 \times 3^3 \times 5^1=8 \times 27 \times 5=1080$
答えは1080。
問1の答え
$108=2^2 \times 3^3$
$360=2^3 \times 3^2 \times 5$
よって最大公約数は$2^2 \times 3^2=36$
最小公倍数は$2^3 \times 3^3 \times 5=1080$
研究:なぜ最大公約数と最小公倍数は②,③の方法で求められるのか?
ここからは興味がある方のみご覧ください。
あるいはすでに感覚的に分かっている子もいるかと思います。
学校の教科書にはこれ以上の説明がありませんが今回もう少し掘り下げてみます。
なぜ上の方法で求められるのかです。
【最大公約数について】
まずは108について、その約数を全て書き出してみましょう。
1,2,3,4,6,9,12,18,27,36,54,108
です。
これらの約数は
$108=2^2 \times 3^3$
から
と表を作り、各場合で掛け算をすると
一致した!!!
まあ当たり前なことですが、ここで改めて認識しておいて欲しかったのです。
この考え方しっかり覚えておいてください!
360でも同じように
$360=2^3 \times 3^2 \times 5$
表を書くと
各場合の掛け算をすると
これらが360の約数です。
ここまで分かったら次は108と360との最大公約数を考察しましょう。
108の約数は2、3の累乗の掛け算、360の約数は2、3、5の累乗の掛け算であることが分かりますね?
なので
$2^x \times 3^y \times 5^z$
を考えてみましょう。(x,y,zは0以上の整数)
まずxについて
$x \geqq 3$の場合、$2^x \times 3^y \times 5^z$は360の約数にはy,zの数字によってはなり得ますが108の約数にはなり得ません。
この表を見て分かる通り、108の約数には2の指数が3以上のものがないですよね?
$0 \leqq x \leqq 2$であればy,zの数によっては108と360の公約数になり得るわけです。
yについても
$y \geqq 3$だと360の約数ではなくなります。
この表を見て分かる通り、360の約数に3の指数が3以上の数なんてありませんよね?
x,yの時と同様です。5の指数が1以上の数はないです。
$z=0$ならx,yの数によっては108と360の約数となり得ます。
以上をまとめますと、$2^x \times 3^y \times 5^z$がが108と360の公約数となるには
$0 \leqq x \leqq 2$かつ$0 \leqq y \leqq 2$かつ$z=0$
です。
今回求めるのは最大(の)公約数ですよね?
考えてみましょう。$2^x \times 3^y \times 5^z$において、x,y,z,が大きいほどその数は大きくなりますよね?
大きい数字同士を掛けた方が大きくなります(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
よって最大公約数は、x,y,zそれぞれの最大値をとればいいのです!
$0 \leqq x \leqq 2$かつ$0 \leqq y \leqq 2$かつ$z=0$
の範囲でx,y,zの最大値はx=2,y=2,z=0です。
$2^2 \times 3^2 \times 5^0=36$
したがって108と360の最大公約数は36であると分かるわけです。
【最小公倍数について】
次に最小公倍数の求め方を詳しく解説します。
$108=2^2 \times 3^3$
であることから、
$2^2 \times 3^3 \times (何かしらの自然数)$
は全て108の倍数になることは分かりますか?
$2^2 \times 3^3 \times (何かしらの自然数)=108 \times (何かしらの自然数)$
108に自然数を掛けたものは全て108の倍数になるのは当然です( ^ω^ )
この考え方は覚えておいてください!
後で役立ちます٩( ‘ω’ )و
同じように360についても
$360=2^3 \times 3^2 \times 5$より
$2^3 \times 3^2 \times 5 \times (何かしらの自然数)$
は360の倍数になります。
今回は108と360の最小(の)公倍数を求めるので
$2^2 \times 3^3 \times (何かしらの自然数A)$←108の倍数
$2^3 \times 3^2 \times 5 \times (何かしらの自然数B)$←360の倍数
最小の公倍数になるようにA,Bにふさわしい自然数を見つけましょう。
もう少し砕けた言い方をすると、
108と360それぞれにできるだけ小さな自然数を掛けて同じ自然数にしようってことです。
$2^2 \times 3^3 \times (何かしらの自然数A)$←108の倍数
$2^3 \times 3^2 \times 5 \times (何かしらの自然数B)$←360の倍数
ここでやることが各素数の指数を比べて大きい方に合わせることです。
どういうことかと言いますと、
《2の指数》
108の素因数分解では2の素数は2、360の素因数分解では2の素数は3。よって3に合わせます。つまり108に2を1つ分掛けます。
$2^2 \times 3^3 \times (2)$
$2^3 \times 3^2 \times 5$
《3の指数》
108の素因数分解では3の素数は3、360の素因数分解では3の素数は2。よって3に合わせます。つまり360に3を1つ分掛けます。
$2^2 \times 3^3 \times (2)$
$2^3 \times 3^2 \times 5 \times (3)$
《5の指数》
108の素因数分解では5の素数は0、360の素因数分解では5の素数は1。よって1に合わせます。つまり360に3を1つ分掛けます。
$2^2 \times 3^3 \times (2 \times 5)$
$2^3 \times 3^2 \times 5 \times (3)$
すると
$2^2 \times 3^3 \times (2 \times 5)=2^3 \times 3^3 \times 5=1080$
$2^3 \times 3^2 \times 5 \times (3)=2^3 \times 3^3 \times 5=1080$
これで、それぞれできるだけ小さい自然数を掛けて最小(の)公倍数が出ました!
まとめ
a,b:整数とする。
ある整数kについて$a=bk$と表される時
b:aの約数
a:bの倍数
という。
公約数…2つ以上の整数に共通する約数
最小公倍数…公倍数の中で最小の数
楽しい数学Lifeを!