【高校数A】『場合の数』の練習問題を元数学科が解説する!【苦手克服】

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数学
ジル
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みなさんおはこんばんにちは。

連休が終わって悲壮感に打ちひしがれているジルでございます!

今回は『場合の数』の問題をいくつかのパターンに分けて解説しようかと思います。

この問題を解くには「樹形図」「和の法則」「積の法則」の知識が必要になります。

ジル
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その辺りの解説記事がありますのでよろしければご覧ください!

【高校数A】『場合の数』の基礎を元数学科が解説する!【苦手克服】
今回は【高校数学】【数A】『場合の数と確率』から場合の数について、入りの基礎を解説しました。重要な事項である「樹形図」「和の法則」「積の法則」についてまとめて、いくつか練習問題を用意しました。よかったらご覧ください。

 




『約数の個数、及び総和』を求める問題

360について

(1)正の約数は全部でいくつあるか。

(2)(1)で求めた約数の総和を求めなさい。

 

まずはこちら。割とポピュラーな問題ですね。

(1)の解説

このパターンの問題は

①素因数分解をする。
②積の法則を利用する。

大体はこれでいけます。

ジル
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では早速レッツトライ!

 

①素因数分解をする。

したがって$360=2^3 \times 3^2 \times 5^1$となります。

ジル
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通常$5^1$については$5$と書きますが今回は指数が重要になりますので敢えて書いてあります。

 

②積の法則を利用する。

先に結論を言ってしまいましたがこの問題は

積の法則が利用できます。

ジル
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これとても重要です!

もう少し小さい数字を例にしてみましょう。

18の約数について

$18=2^1 \times 3^2$

18の約数は1,2,3,6,9,18です。

この程度の約数は暗算でも十分出せますが、どうやって導いたかと言われると

$1=2^0 \times 3^0$

$2=2^1 \times 3^0$

$3=2^0 \times 3^1$

$6=2^1 \times 3^1$

$9=2^0 \times 3^2$

$18=2^1 \times 3^2$

つまり18の約数は全て

$(2^0,2^1から1つ) \times (3^0,3^1,3^2から1つ)$

で表現できるわけです。

図にすると

この表に覚えがありますか?そう、

 

【高校数A】『場合の数』の基礎を元数学科が解説する!【苦手克服】
今回は【高校数学】【数A】『場合の数と確率』から場合の数について、入りの基礎を解説しました。重要な事項である「樹形図」「和の法則」「積の法則」についてまとめて、いくつか練習問題を用意しました。よかったらご覧ください。

 

この記事で説明した『積の法則』で使った表です。

このことからも積の法則が使えるのがわかりますね^ ^

したがって18の約数の個数は$(2^0,2^1から1つ) \times (3^0,3^1,3^2から1つ)$より

$2 \times 3=6$

ジル
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18の約数の個数は1,2,3,6,9,18の6つですので間違い無いですね( ^ω^ )

 

では本題に戻ります。

$360=2^3 \times 3^2 \times 5^1$であることから、その約数は

$(2^0,2^1,2^2,2^3から1つ) \times (3^0,3^1,3^2から1つ) \times (5^0,5^1から1つ)$

で表現できます。

したがって積の法則から約数の個数は

$4 \times 3 \times 2=24$

答えは24個。

 

(2)の解説

総和を求めます。

正直地道に足していっても解くことは可能です。

$2^0 \times 3^0 \times 5^0 + 2^1 \times 3^0 \times 5^0 + … +2^3 \times 3^2 \times 5^1$

今回はもう少し効率的に解いてみましょう!

実は先ほどの

$2^0 \times 3^0 \times 5^0 + 2^1 \times 3^0 \times 5^0 + … +2^3 \times 3^2 \times 5^1$

$(2^0+2^1+2^2+2^3)(3^0+3^1+3^2)(5^0+5^1)$

を展開した式なのです!!!

$(2^0+2^1+2^2+2^3)(3^0+3^1+3^2)(5^0+5^1)$について、まずカッコの中から計算してみると

$(2^0+2^1+2^2+2^3)(3^0+3^1+3^2)(5^0+5^1)$

$=(1+2+4+8)(1+3+9)(1+5)=15 \times 13 \times 6=1170$

地道に計算するよりはるかに簡単に解けました!

答えは1170

 

等式を満たす数の個数を求める問題

$2x+y+z=8$を満たす自然数x,y,zの組み合わせの個数を求めなさい。

 

こちらも比較的出題される形式です。

このパターンの問題を解く手順は

①式変形をして1つの文字に注目する。
②注目した文字についての場合分けをする。
であります。
今回も丁寧に解説してみます。

 

解説

 

①式変形をして1つの文字に注目する。

どの文字に注目するかと言いますと、各文字の係数を比較して一番大きい文字です

今回はxの係数は2、yの係数は1、zの係数は1ですので一番大きいのはx。

ということでxに注目して式変形しましょう。

ジル
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ここで私が言っている「注目する」とは

xに注目した場合$○x=…$

yに注目した場合$○y=…$

ということです。

$2x+y+z=8$をxに注目して式変形すると

$2x=8-(y+z)$

ここで右辺について少し考えてみます。

問題に書いてあるように、x,y,zは全て自然数です。なので$x \gt 0$、$y \gt 0$、$z \gt 0$です。

よって$y+z \gt 0$であることがわかりますね?

また$8-(y+z) \lt 8$。

よって$2x=8-(y+z) \lt 8$

したがって$2x \lt 8$

xは自然数なので、$x=1,2,3$。

 

②注目した文字についての場合分けをする。

①でxの候補が1,2,3であることがわかりました。

あとはそれぞれの場合のy,zの候補を樹形図で求めればオッケーです!

(ⅰ)x=1の場合

$2x+y+z=8$に代入して

$2+y+z=8$

$y+z=6$

y,zの組み合わせは

(ⅱ)x=2の場合

$2x+y+z=8$に代入して

$4+y+z=8$

$y+z=4$

y,zの組み合わせは

(ⅲ)x=3の場合

$2x+y+z=8$に代入して

$6+y+z=8$

$y+z=2$

y,zの組み合わせは

 

したがって答えは5+3+1=9通り

 

まとめ

 

◎『約数の個数、及び総和』を求める問題
・約数の個数を求める際のポイント
①素因数分解をする。
②積の法則を利用する。
◎等式を満たす数の個数を求める問題
・求める際のポイント
①式変形をして1つの文字に注目する。
②注目した文字についての場合分けをする。
今回はよく出題される2パターンの問題を解く際のポイントを数学が苦手な方にもわかってもらえるように丁寧に解説しました。
ジル
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楽しい数学Lifeを!